平成29年5月13日(土)・14日(日)の2日間にわたり、ホテル・アゴーラリージェンシー堺に於いて、平成29年度近畿第二ブロック研修会を開催致しました。

~呈茶~

受付の後、和歌山青年部と南紀青年部が担当でお呈茶を致しました。

テーマは「熊野古道」。テーブルにはヤタガラスなどを飾り、梛の葉をラミネートした枌を懐紙に挟み、「旅姫」という銘のお菓子でおもてなし致しました。

~開会式・総本部報告~

開会式では、ブロック顧問 淡交会参事 近畿第二地区副地区長 池田周弘様をはじめご来賓の皆様からお言葉を頂戴し、主催者を代表して山路ブロック長の挨拶で2日間のプログラムがスタートしました。

総本部報告では、淡交会総本部専務理事 木戸崇夫様から、人口が減り子供が減っていく中、淡交会の会員数も減っているが、仕方ないとはせず、工夫して茶道を広めて行きましょうというお話がありました。

~全体研修~

■懐石料理について

辻留 平晴彦先生に懐石料理について講座を行って頂きました。懐石料理の順番、季節によって変わる献立のバランス、懐石と茶道の共通点などのお話をしてくださいました。

懐石領地の中のご飯ものでは、千利休の句「茶の湯には よい茶よい酒 壱ッ菜 飯柔らかに 合口の友」の紹介があり、普段のご飯とは違い、お茶事でのご飯とはこうあるべきであるという思いが込められているのではとの解説がありました。懐石料理も茶道も、常に相手のことを考えお客様にとって最も適切なタイミングでおもてなしする心は同じであるというお話では、おもてなしする側していただく側の気持ちを改めて考えるよい機会となりました。

最後に、懐石料理も茶道も1つ1つの歴史的な積み重ねが大事で、伝統を大切にしつつも新しいことに挑戦する姿勢を忘れなければこれからもさらに成長することができるというお言葉で講座を締めくくられました。平先生のお話しを聞いて、さらにお茶の道を精進したいと思いました。

■練り香作り体験

山田松香木店 大杉直司先生に燻香の伝来や薫物の製法・種類についてご説明頂いた後、実際に練り香を作りました。沈香・白檀・龍脳・丁字・甘松・安息香・薫陸・貝甲香・麝香を基本の料を混ぜ合わせ、好みで香原料を追加し、炭粉と蜜を加えてよく練り、ひと塊にしたら完成です。それを少しの間熟成させる事でそれぞれの香りの良さが引き立ちあって優雅な香りになっていくそうです。自分が作ったものがどんな香りに仕上がったのか楽しみです。

~懇親会~

一日目の夜は懇親会が行われました。各青年部からの参加者はまず会場の入り口でくじを引き、くじに書かれている番号のお席に座るというシステムで、どこのお席かなとドキドキのスタートでした。

懇親会は、山路ブロック長や他ブロックからご参加くださった方々のご挨拶、ブロック相談役 近畿第二地区委員長 西川宗進先生の乾杯のご発声で和やかに始まりました。

途中では、LT出向されている横川さんと脇坂さんが第2回目までの受講について、楽しい掛け合いでご報告してくださいました。また、テーブル対抗の〇×ゲームもあり、茶道だけでなく新旧の芸能問題も出題され、それぞれの得意分野で答えを出し合い大いに盛り上がりました。景品をかけてのジャンケンも白熱し、楽しく懇親を図ることができました。

~実技指導~

今日庵業躰部 鈴木宗慶先生による実技指導が行われました。

ご指導いただきました科目は、割稽古、濃茶、平花月でした。割稽古では、立ち方座り方や礼の仕方、帛紗捌きなど、また点前ではその時の流れや心構えなどを細部にいたるまで丁寧に分かりやすくお話をいただきました。

業躰先生より直接ご指導頂けるめったにない機会で、見学している参加者も先生のお話や動作を熱心に見ておられました。

~青年部全国委員会助言~

西中国ブロック 萩青年部 杉山芳文副委員長より、「お稽古と青年部」というテーマでご講演をいただきました。青年部活動を通じて色んな方々と出逢い、仲間が出来た事を分かりやすくお話下さいました。また、杉山芳文副委員長ご自身の親先生がお亡くなりになった際、もっとお稽古をつけていただきたかったと後悔されたようです。その後悔から、お稽古の大事さを人一倍強い気持ちになったと言うお言葉は、参加者の心に響いたことと思います。

~閉会式~

閉会式では、山路ブロック長のご挨拶の後、淡交会総本部専務理事 木戸崇夫様より総本部総評で、随所での青年部員の溌剌とした姿にお褒めのお言葉を頂きました。

この研修会で、知識を深めると共に、より一段と親睦も深めることが出来ました。

これからも協力し合って諸活動に取り組んで行きたいを思います。