■ 薄茶席
初の試みで青年部OB有志が薄茶席を担当することとなり、OB一年目の私は諸先輩方
とご一緒させて頂きました。一週間前に、総本部知新会の追悼供養並びに呈茶奉仕で岩手
県の被災地に行かれた池田、西川両先輩のお話の中で、 未だに不自由な生活を強いられて
いる被災地の方々の現状を知るにつけ、 自らの無力を再認識するしかなく、やるせない気
持ちになりました。ただ、ひとりでは何もできなくても、 お茶を通じてこころひとつに
チャリティー茶会をさせて頂くことで、 せめて少しでもお役に立てればと思いながら時を
過ごしました。
お道具は、三景棗の松島に思いを馳せ、松の絵のお茶碗には陸前高田の奇跡の一本松を
イメージし、お菓子は宮城県の「しおがま」と「みち乃くせんべい」を使わせていただき
ました。
お茶席の脇には、くり抜かれた日本地図に大阪から東日本への祈りが電飾で表され、
切り立ての青竹に手作りの竹細工を添えた秋の野を設え、 長い時間を掛けて細部まで企画
してくださった先輩方の思いとその心に感銘を受けました。
現役の頃から憧れていた先輩方とご一緒にお茶会ができるのは エキサイティングで
あるばかりか、とても学びの多いもので これから少しでも足元に及ぶように精進しようと
心に刻みました。また今までお目に掛かったことのなかった先輩方とも打ち解けてお話も
でき、どこか同窓会にも似たような和やかで温かい出逢い、お茶で繋がるご縁に感謝です。
できるだけ早く、被災地の方々が穏やかに過ごせる日が戻りますように。
帰路、心地よい疲れとともに見た美しい鱗雲の空に祈りました。ご参加くださった皆様、
ほんとうにありがとうございました。心より感謝申し上げます。 大阪北支部 畑中成子
■ チャリティー義捐金
このチャリティーの趣旨にご賛同いただき、当日は500名を超えるお客様にお出ましい
ただき、あたたかいお志をいただきました。本当にありがとうございました。
後日、総本部へ今回の義捐金をお届けに参りました。
(※ 本画像は総本部から頂戴いたしました。)
■ 青年部 参加者の声
被災地を思い、「一碗からピースフルネスを」の心を持って執り行われました東日本大
震災チャリティー茶会に、参加いたしました。
お茶会に伺う以前より、開催される皆様の熱い思いを折にふれ耳にしておりましたので、
色々と楽しみにしながら当日を迎えました。
待合から薄茶席まで、心をつくした様が大変よく伝わり、心温かくなるお茶会でした。
待合では東北から届いた映像と拝見させていただきました。中には震災直後の風景もあり
ました。今見ても心が凍るようです。しかしながら、同時に見せて頂いた復興祈願のお呈
茶の様子は、被災という不幸の中にあってなお、撓んでも折れないしなやかさを表してい
るように思いました。青年茶人としてのひとつの姿を見たように思います。
濃茶席のお軸、香合に、復興への特に強い思いを感じ、お席自体の朴訥とした温かさに、
一碗の力が齎すものを肌で感じました。
また、青年部OBの方々が心をこめてご準備くださった薄茶席では、心細やかに選ばれた
お道具の数々が、遠く東北への思いを運ぶようでした。
板をくりぬいて作られたお手製の日本地図が特に目を引き、その周りに飾られた花々の一
つ一つにまで細やかに気遣いが行き渡っている様は、見事としか言いようがありませんで
した。
皆様のご尽力、本当に頭の下がる思いです。本当にありがとうございました。
また、青年部一会員として、精進してまいりたいと気持ちを新たにいたしました。箭川佳緒里