■ 濃茶席
本年はOBが濃茶席をいたしました。
今回はご好意で東北からお道具をお借りして使わせていただきました。
濃茶席・床には震災一年後の3月11日に東北地区主催茶会にご染筆いただかれた
鵬雲斎大宗匠筆御一行「他日寸苗成大樹」を掛け、香合は木米造の染付半開扇を
置きまだまだ復興途上のなか少しずつ復興が進んでいく事を願って使わせて
いただきました。
茶杓は、震災後、津波で被災されたお茶室から堀だされた又玅斎作 銘「雲雀」
を使わせていただきました。
私達にはもったいないお道具ばかりですが、快くお借し頂きました事に感謝を
申し上げます。
各支部OBが揃い懐かしいメンバーで青年部時代を思い出して愉しい一時でした。
さながら同窓会のようで、このような機会を与えていただき感謝いたします。
お茶を通じて、私達1人1人の小さな思い・活動を通して東日本の方々の復興
を応援して行きたい!と青年部・OB共に1日を過ごしました。
(大阪西支部 岡田豊子)
■ 薄茶席
薄茶席は青年部が担当いたしました。
今年のチャリティ茶会は、岩手支部平栗幹事長先生、津田先生のご厚意で、震災の津波で
流された後に掘り出されたお道具や浄土ヶ浜において行われた東日本大震災犠牲者追悼・
復興記念献茶式で使われたお道具などをお借りする事ができました。
お借りいたしましたお道具のうち、薄茶席では、短冊・香合・薄器・茶杓・茶碗・莨盆・
火入・結界を使わせていただきました。
床には坐忘斎御家元筆一行「松古今無色」、脇床には鵬雲斎大宗匠筆短冊「今日是無事」
を掛け、復興が進むようにと祈念いたしました。
結界は津波の被害にあった松が使われており、この度寺岡多佳先生が「東北に実りの季節
が訪れますように」との思いを込めて稲穂の絵を書いてくださいました。
また、席中で使わせていただいたお道具以外にもお借りしていたものがあり、板床に飾ら
せていただき皆様にご覧いただきました。お道具の箱には津波の傷痕が残っており、被害の
大きさを改めて実感いたしました。
お菓子は東北と近畿が繋がるようにとの思いを込めて、会津葵製の「小法師」と 末富製の
「華ふうせん」を会員手作りの日本地図を意匠とした干菓子盆に盛りました。
また「華ふうせん」には末富様のご厚意で、「前にしか進まない」というウサギの焼き印を
押していただきました。
昨年度に引き続きOB の先輩方に色々とご指導をいただきながら準備を進めてきました。
第4回チャリティ茶会も、地区親支部の先生方はじめご参加いただきました皆様のご協力を
いただき無事に終えることができました。お茶を通じて復興支援や社会貢献ができるという
青年部の素晴らしさを会員一同実感したのではないかと思います。
会津葵製の「小法師」と末富製の「華ふうせん」
会員手作りの干菓子盆。12枚を繋げると日本地図になります。