〜全体研修「茶事における菓子」(講義・実習)〜
研修会2日目は、公益財団法人 有斐斎弘道館代表理事 有職菓子御調進所 老松当主
太田達先生によるお菓子にまつわるご講義と生菓子作りの実習でした。
まず、はじめに茶事におけるお菓子にまつわるお話をご講義いただきました。
◆「水無月」は、6月に入るとすぐに和菓子屋さんの店頭で見かけられ、6月に食す代表的
な和菓子とされている。しかし、正確には、1年の折り返しの日に半年の罪、穢れを祓い、
残りの半年の無病息災を願い、「6月30日」に食するものである。
また、小豆は厄払いで、三角の形は暑さを払う氷をイメージしていると一般的に言われて
いるが、三角形は龍の鱗を示していて、これも魔よけの意味があるとも言われている。
◆茶会記「松屋会記」の中で、ある日の茶事について、「〜 ウス茶アリ サケヤキ物 汁ナ
セリ カマホコ 飯 菓子ハ不出候、膳アカリテ、七種ノ画カカル、上下白地カラクサ 〜」
と記録されている。
なぜ菓子は出なかったのか?
答えは、七種の菓子の画が描かれたお軸が床に掛けられたから。
⇒お菓子の準備をしなくてもよくなり、節約したい時はいいかも…
など、クイズを交えながらのご講義は、とても楽しく興味深い内容でした。
次に、生菓子作りの実習では、太田先生の実演を間近で拝見させていただきました。作り方は、
赤・青・黄色の「こなし(固めに炊いた白餡に小麦粉を入れ蒸して練ったもの)」を好み
の色に混ぜ合わせ、丸めた餡を包み込み、木のヘラで筋を付けて形作るという工程で、
太田先生の手さばきはとてもスムーズで、4種の生菓子(菖蒲・朝顔・落とし文・菊)が次々
と出来上がり、目を見張るものでした。
太田先生の生菓子作り実演 太田先生による見本のお菓子
上段(左)菊 (右)落とし文
下段(左)菖蒲 (右)朝顔
(大阪北青年部 福田みゆき)
〜 全国委員会助言・閉会式 〜
■ 全国委員会助言
青年部全国委員会総括幹事 奥山卓様より、ブロック研修会の感想とともに、今後も
「ご縁」をつなぐブロック間の交流や会員間の交流を図ってほしいとご助言をいただきました。
■ 閉会式
塩谷ブロック長より、「例年と違ったブロック研修会の内容構成にチャレンジし、ブロックテーマ
「更上一層桜」に添った、会員皆様と共に一歩高いところから違った景色を見ることができたので
はないか」と達成感にあふれた挨拶がなされました。
■ 総本部総評
総本部事務局長兼組織部部長 長谷川義翁様より、ブロック研修会におけるねぎらいの
お言葉をいただきました。
(和歌山青年部 吉備万里子)